かえるん日記

地方馬がダービーを制す

ブラストワンピースが凱旋門賞で面白い理由

今週に入ってクイーンマンボ、リエノテソーロの引退。シハーブは喉の手術と悲しいニュースが続いているが、落ち込んでばかりもいられないので粛々と競馬の回顧予想をしていきたいと思う。今日の主役は札幌記念を勝ったブラストワンピース。この馬の凱旋門賞挑戦に際してはいろんな意見も聞かれるが、個人的にはかなり面白いと考えている。その理由を走法的アプローチの観点から説明していきたい。

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昨日行われた英インターナショナルSに日本馬のシュヴァルグランが出走したが、結果は8着。レース後のマーフィー騎手のコメントで「勝負どころで着いていく脚がなかった」というのがあったが、これはかなり的確なコメントだと思う。実際にラップを見てみると、シュヴァルグランは最後まで伸びており、要するにキレ負けした形となっていたのである。去年凱旋門賞に挑戦したクリンチャーに関しても、一見バテたようにも見えるが、キレ負けということがラップから見て取れる。

よく「日本馬がヨーロッパで通用しないのはスローのヨーイドン競馬しかしていないからだ」みたいな意見を聞くが、全くの的外れだと思う。なぜならヨーロッパ競馬のほうがスローからのヨーイドンの傾向が強いだからだ。じゃあなぜ日本馬はそのスローからのヨーイドン競馬に対応できないのか。それは走法の違いにあると考えている。個人的な意見だが。

 ヨーロッパの馬は、残り4ハロンくらいまでは散歩して、そっから一気にピッチが上がる。そして基本的にこの時のギアチェンジ性能が高い馬が勝つ。一方で日本の馬というのは、ギアチェンジをするために一気にストライドが伸ばす馬が多い。日本の摩擦の少ない芝であれば、それで接地回数を減らして抵抗を減らし、トップスピードを持続させることが可能であるが、ヨーロッパの重い芝でストライドを伸ばそうとすると、ほぼ間違いなくノメる。ゆえにヨーロッパの競馬でギアチェンジをするためにはピッチを上げるしかないのである。

 

kaerun4451.hateblo.jp

 その点で、日本馬がヨーロッパで活躍するための条件は「ギアチェンジのタイミングで速やかにピッチを上げられる馬」である。これまでの該当馬はエルコンドルパサーナカヤマフェスタオルフェーヴルキズナハープスターディアドラ。この条件に当てはまらないで通用したのはディープインパクトのみである。

先日ディアドラがナッソーSを勝ったが、ディアドラといえば一気にピッチを回転させて繰り出す32秒台の末脚が魅力の馬である。日本人はヨーロッパに「スタミナのある馬」を送り込もうとしているが、一番必要なのは「瞬発力」であり、さらに「ピッチ」という条件がつくのだ。一見向きそうなゴールドシップがまるで通用しなかった理由はここにある。

ここで今年の凱旋門賞に挑戦する日本馬のラインナップを見て行くと、まずキセキは典型的なストライドタイプで、ゆえにギアチェンジが上手ではない。この時点でほぼ可能性はないと思うが、脚質的なアドバンテージが作れるというのは魅力だと思う。すなわち瞬発力勝負にしなきゃいいのである。自ら動いていってロンスパ競馬にしてしまえばいい。凱旋門賞で逃げさせてもらえるとは思わないが。フィエールマンもギアチェンジが苦手な馬で、京都の下り坂で一気にストライドを伸ばして加速をつけないとかなりパフォーマンスが下がる馬である。その点ロンシャンのギアチェンジ戦が向くとは思えない。シャンティならまだ良かったが。

そして残ったのがブラストワンピース。この馬は大柄の割には回転数を上げながらギアチェンジをするタイプで、究極のキレ戦となった新潟記念毎日杯や、重い馬場でストライドタイプが苦戦した有馬記念を勝ち切っているあたり相当凱旋門賞的なレースに適性があると見ている。逆にかなりストライド質のロンスパ競馬になったダービーや、下り坂で加速力のアドバンテージを生かせなかった菊花賞ではパフォーマンスを下げてますからね。

というわけで、今年の凱旋門賞

エネイブル

クリスタルオーシャン

ブラストワンピース 

で行く予定です。楽しみですね。それではまた明日。