ツイッターで人を殺した話
ツイッターから来てくれている古参の人は知っているかもしれないが、私がツイッターで精力的に活動していた頃にはフォロワーが6000~7000人(筑波大生だけで2000人)とかいてそれなりのコンテンツ力があり、ツイートした際にアンチからDMで「面白くない黙れ」等の暴言が送られてくることもあった。DMは無視することもあったが、ネタになりそうなやつにはある程度やり取りをして、論破したところで晒すという過激なことをしたりもした。
調子乗ってるクソビッチは積極的に鍵垢に追い込んでいくスタイル。 pic.twitter.com/wfijVEPCoq
— かえるん (@wwwwwwwwnoriku) September 18, 2016
いまきた人のためにスクショ置いときますね。 pic.twitter.com/Qm1roptOGw
— かえるん (@wwwwwwwwnoriku) September 18, 2016
しかし、DMでガンガンやり合ったあとになぜかアンチと仲良くなっちゃうということが何度かあり、ある時私はアンチDMを送ってきた中学生、吉崎友也(仮名)と仲良くなった。
吉崎くんの素性を掘り下げていくと、どうやら彼は通う中学校でイジメを受けているらしかった。確かに彼のフォロー/フォロワー比は低く無機質でネガティブな呟きを続けており、イジメを受けているという発言との整合性が取れた。イジメのストレスを発散するために私のツイッターにアンチコメを送ってきたとも書いていた。私は彼の文章を真に受け、さらに深く掘り下げた。吉崎くんが言うに、イジメの主犯格は浅倉翔太(仮名)というクラスメイトであり、彼のツイッターアカウントを教えてくれた。
私はこれをコンテンツにしようと考えた。イジメっ子浅倉翔太のツイッターアカウントを晒しあげ、コンテンツ力という名の数の暴力で潰そうという企画を考え、実行に移した(一連のツイートは削除済み)。私は当初、そんなことをしたら吉崎くんの実生活に影響を及ぼすのではないか?さらにイジメがエスカレートするのではないか?と思い反対したが、吉崎くんはどうやら近日転校するらしく、最後に見返してやりたいとのことだった。
浅倉翔太はそれまでツイッターで威勢のいいツイートを繰り返していたが、私の攻撃を受けるとすぐに私をブロックし、鍵をかけた。これで私の完全勝利。イジメられっこを救ったスター気取りだった。なおこの件によりフォロワーは増え、私のコンテンツ力は拡大した。吉崎くんからは感謝の旨が送られてきた。
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数日後、私はスマホでとあるニュースを見て驚愕した。「〇〇県△△市の中学校で生徒が飛び降り自殺を図り重体」。その中学校の名前は見覚えがあった。私は急いでツイッターを開き、関係者の筋から情報を辿った。見えてきた事実に私は胸を痛めた。自殺未遂を起こした生徒は浅倉翔太(14)。彼はクラスメイトからイジメを受けており、主犯格は吉崎友也だった。ちなみに私がDMでやりとりしていた吉崎友也のアカウントは、アカウント自体がなくなっていた。
この時私は全てを悟った。吉崎友也はイジメられっ子のふりをして私に近づき、浅倉翔太をイジメっ子と偽って私に攻撃させたのだ。浅倉翔太が威勢のいいツイートをしていたのは、アカウントの乗っ取りによるものだったらしい。
もしこれが事実だったらば。自殺未遂の直接的な原因はイジメだろうが、トドメを刺したのは私のツイッターということになる。私が浅倉翔太を殺したも同然だ。画面の向こう側の見ず知らずの相手を信用してしまったばっかりに、私は一人の罪のない少年の命を奪うかもしれなかったのである。
SNSで聞いただけの話を鵜呑みにしてはいけないし、SNSで聞いた話だけで良い悪いの判断をすることは無限によくないと思う。ツイッターには顔も知らないようなやつが毎日罵詈雑言を並べているが、それを真に受けてどうこう批判することは愚かでしかないとも思う。常にその人が何らかの目的で嘘をついている可能性を考慮しなければいけないのだ。全て真に受けてしまってはツイッターは人をも殺す。そのことを忘れてはいけない。
というわけでこの話ももちろん全部嘘です。吉崎友也も浅倉翔太も架空の人物。さっき適当に考えて作りました。見ず知らずの人間が書いた文章なんか信用しちゃダメですよ。まずは疑うことから始めないと。いつか本物の浅倉翔太を生まないためにも。それでは。