かえるん日記

当たった時は謙虚に。外した時は冷静に。

商品は会議室で売れているのではない。店頭で売れているのだ。

はじめに

前にもどこかで書いたが私はスーパーでアルバイトをしている。その際に店側に対して、これはこうしたほうがいいのではないか?これは効率が悪いのではないか?と思うことがたまにある。3年もやっていればそりゃそうだ。そこで今日は私が店頭に立ち実際に感じたことをひとつ例に取り上げ、日本の企業経営がいかに頭の悪い形式を取っているかについて議論していきたいと思う。ただ私は経営学を学んだことはない。素人の意見、どちらかというと現場の声という形で適当に読み流してほしい。

f:id:kaerun4451:20190308225739j:plain

なぜ売れないトマトを発注し続けなければならないのか?

私のバイトしているスーパーでは熊本県産のトマトがよく店頭に並べられている。これは会社が熊本県の農家と契約を交わしており、定期的に熊本県産のトマトを発注しなければならないためだ。だが正直言うとこのトマトは品質があまり良くはなく、売れ残ることが多い。だが別にこれは熊本県産のトマトの元々の品質が悪いという話ではない。トマトを熊本から茨城へ輸送する際のキズやカビなどにより品質が落ちているのである。

f:id:kaerun4451:20190308223210j:plain

そもそも生鮮の世界では基本地産地消が鉄則だ。熊本県で採れた野菜をわざわざ茨城県で売るというのは非常に効率が悪い。もちろんその野菜が熊本県でしか栽培されていないというのであれば話は別だ。だがトマトは違う。茨城県でも大量に栽培されているのだ。無論茨城県産のトマトは輸送によるダメージが少なく品質が良い。当然熊本県産のものより売れ行きも良いのだ。ならば茨城県産のトマトだけを売ればいいじゃないかとお前らは思うだろう。ただそうはいかないのが会社というものだ。まず現場の平社員がトマトは茨城県産のもののほうが売れるので茨城県産に統一すべきだというデータと資料を作り上層部にプレゼンする。それを上層部が承諾すれば、その案は社長へと提案される。しかし社長が「あの熊本県の農家さんは昔からお世話になっている。簡単に縁を切ることはできない」と言ったらこの案は白紙だ。また売れないトマトが店頭に並び続けるのである。

 

恋するトマト

恋するトマト

 

 

 よくドラマではこういうストーリーが描かれる。最初は目先の利益に細かくこだわる社長がヒール扱いされているが、ヒーローの主人公の平社員の奮闘により社長はだんだん利益よりも客との信頼関係だったり、地域への貢献を重視するようになる。結果として会社は大繁盛しハッピーエンドとなるのだ。きっと主人公の平社員と社長の恋模様なんかや、そんなわけない個性的な同僚たちのプチ話が織り交ぜられてドラマが展開していくことだろう。ただバイトをしてわかった。現場の実状はドラマの逆なのだ。社長は目先の付き合いや自分の立場や地位に捕らわれて、現場や実際の店頭についてあまり顧みていないのだ。トマトの品質が悪いとクレームを受けるのは我々バイトだ。トマトの売り上げが悪いと叱られるのは現場の平社員だ。商品は会議室で売れているのではない。店頭で売れているのだ。自分の立場ではなく社員のことをまず第一に考える。そういう経営者が成功するのではないかと私は言いたい。今の日本にはそういう経営者がほとんどいない気がする。果たして私のバイト先に茨城県産のトマトがずらりと並ぶ日はくるのだろうか。

土曜の競馬予想はこれから始める。朝の投稿になるかもしれない。それではまた。