かえるん日記

当たった時は謙虚に。外した時は冷静に。

大阪桐蔭をヒール扱いする違和感

大阪桐蔭vs金足農業

古い話題を掘り返してもいいだろうか?去年の夏の甲子園決勝。大阪桐蔭vs金足農業は観戦していたという人も多いのではないだろうか?観戦していた人の多くは金足農業を応援していたに違いない。同じ地元出身の幼馴染9人が全国から集まったスーパーエリート集団に立ち向かう。まるでドラマや漫画の世界の話だ。そして漫画の中では必ず金足農業のようなチームがヒーロー、大阪桐蔭のようなチームはヒールとして扱われる。最後はもちろん金足農業が逆転勝利を収めハッピーエンドとなるのだ。あの時の両チームに対するメディアの扱いも漫画のそれだった。まるで大阪桐蔭を悪者かのように取り上げ、金農フィーバーを作り出した。これによって金足農業は国民のヒーローとなった。お前らも東北勢初の甲子園優勝に胸を躍らせたことだろう。あの球場が金農一色に染まる異様な決勝戦を作り出したのはメディアの責任だ。結果は周知の通り。結果を受けて観客とメディアは「なんだよ大阪桐蔭かよつまらないな」と声を揃えた。この時さすがに大阪桐蔭の選手たちが不憫すぎると思った人も一定数はいるのかもしれない。

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私はずっと大阪桐蔭を応援していた。なぜか?今から説明していきたい。ただ私はここでもちろん金足農業のことを悪く言うつもりもないし、別に金足農業を応援していたお前らを悪く言うつもりもない。いつも通り適当に読み流してほしい。ただこれを読んだお前らはもう大阪桐蔭をヒール扱いするような真似はしないはずだ。

高校野球における私立と公立の違い

お前らは甲子園でどの高校を応援するだろうか?やはり地元の高校だろう。ただ自分の県の代表校に自分の県出身の選手が1人もいなかったら?お前らはそれでも応援するだろうか?応援しなくていいやとなる人もいるはずだ。これは極端な例だが実例でもある。熊本の秀岳館高校なんかがそうだ。まあその気持ちもわからなくはない。もしケニア人がオリンピックでジャパンのユニホームを着てマラソンを走っていたらというのと同じことではある。

さらにお前らは公立の高校を応援するだろう。メディアはその高校が文武両道であることや地元の選手だけで構成されていることを異常なほど取り上げる。私が異議を唱えたいのはこれだ。確かに文武両道は素晴らしいことかもしれない。ただこういう考え方もあることを知ってほしい。私立の高校の選手たちには野球しかないのだ。彼らは野球をするために高校に入り、野球でいい結果を残すことでいい会社に就職できる。つまり野球に人生をささげているのだ。その一方で公立高校の選手はどうだ。私もそうだったが、彼らはあくまで大学に行くために高校に入り大学進学に向けて勉強を頑張りつつ、野球はあくまで部活として行うのだ。悪い言い方だが、文武両道とは片手間で野球をやるということなのである。つまり私立高校の選手と公立高校の選手では野球に対する姿勢や本気度がまるっきり違うのである。もちろん公立高校の選手が本気で野球に取り組んでいない、本気で甲子園を目指していないと言ってるわけではない。どうしても境遇の面からそういう差が出てきてしまうのだ。だから私は自然と私立高校を応援してしまう。特に大阪桐蔭の選手はプレッシャーも凄かったことだろう。勝たなきゃいけないという状況の中で格下相手に勝ち切るということがどれほど難しいことなのか?野球をやっていたやつならわかるだろう。

21世紀枠について

最後にちょっと持論を述べたい。春の甲子園には21世紀枠というものがある。正直無くしてほしい。理由は前述の通りだ。文武両道がどうの、ボランティア活動がどうので出場校を選ばないでほしい。ちゃんと結果を残した順に32校選んでほしい。頼むから甲子園出場の安売りはしないでくれ。公立高校も私立を倒すために練習を重ねているのだ。これは彼らの努力も踏みにじることにすらなると思う。

いずれにせよ去年の夏、図らずもヒーローとヒールを演じた選手たちの何人かはプロ野球の扉を開いた。あの決勝戦の雰囲気を彼らがどう感じたかはわからない。ただあの決勝戦は間違いなく彼らを強くしたに違いない。プロ野球の世界でもきっと活躍できるはずだ。それではまた明日。