かえるん日記

当たった時は謙虚に。外した時は冷静に。

ダート不良馬場の攻略と「雨ならディープを買え理論」について

不良馬場を攻略する

競馬の予想をするうえで欠かせないファクターの1つとして、「馬場」が挙げられると思う。以前も解説したが、レース中の競争馬のスピードを変化させる要素は、

①蹴りによる推進力(馬の力・接地点)

②空気抵抗

③摩擦抵抗(接地点)

の3種類しかない。その3種類のうちの1種類(摩擦抵抗)は完全に「馬場」に依存しているわけで、これを無視するというわけにはいかないだろう。馬場は「大事」なのだ。これが1番大切なこと。

馬のスピード変化に関する考察については、計算式等を使った細かい説明記事を以前出しているので、そちらも併せてどうぞ。

kaerun4451.hateblo.jp

我々が新聞やネット等で可視的に見れる、大事な大事な「馬場」の情報は、「良」「稍重」「重」「不良」という含水率によって区分された大まかなものだけであり、それがどうレースに影響を及ぼすかは、各々の判断に委ねられている。

芝のレースであればある程度この判断は容易で、含水率が高くなり馬場が重くなれば重くなるほど、摩擦抵抗は増大していく。当然摩擦抵抗が増大すれば、馬への負担、消耗は大きくなる。これは予想ファクターとして役立つことだろう。

一方でダートはどうだろうか。含水率が高くなれば、脚抜きが良くなって摩擦抵抗は当然減少する。しかし、ある一定の含水率(重~不良のあたり)を超えると、摩擦抵抗は再び増大していく(これは過去のレースの走破タイムを見るに自明)。まあ水が浮くようなダートになると逆に時計が掛かるというのは、みなさんも経験則的に理解していることではないだろうか。

ここで、(緑線)とダート(茶線)についての含水率と摩擦抵抗の関係性についての簡略的な二次元プロットを下に貼っておく。

芝については基本比例的な関係を示すが、不良馬場のある地点から一気に時計がかかるようになるので、そこら辺を考慮した。あとは、芝よりもダートのほうが時計が出やすくなるという超不良馬場も当然存在し(キセキが菊花賞勝った日みたいな)、そういう事例も考慮しての図となっている。

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もし馬のスピード変化がほとんど摩擦抵抗に依存するのであれば、図の赤丸で示したポイントと、図の青丸で示したポイントには互換性が生まれるはずである。これを考慮して考えれば、ダート不良馬場に関しては、ダート重馬場における実績というよりも、ダート稍重馬場もしくは芝不良馬場の実績を重視するほうがベターなのではないかという理論が誕生する。

例えばヴィジョンオブラヴという馬なんかは、不良馬場の未勝利で強い勝ち方をした後なかなか結果が出ずという状況が続いていたなかで、同じ中山の稍重ダートで穴を開けた。この不良馬場の日の中山と稍重馬場の日の中山では、馬場差がほとんどない状態であり、この馬がこれくらいの摩擦抵抗状態でのレースを得意にしているということがわかると思う。

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という風に難しく書いてきたが、要するに水が浮くような不良ダートは「タフ」であるということである。重寄りの不良ダートなのか、水が浮くような不良ダートなのかを見極め、重(高速)ダート実績を信頼するのか、良~稍重(タフ)ダート実績を信頼するのかを考えるということが、不良ダート攻略の糸口になるのではないだろうか。もちろん稍重は走らないけど水が浮くようなダートだけは走るみたいな馬もいますけどね。ただそんなに数は多くない。

今週は台風の通過で土曜の府中は開催も無さそうだが、日曜の府中は水が浮くような不良ダートで行われることが予想される。水の浮いたダートの扱いはみなさんも苦戦するところではあると思うが、摩擦抵抗の考え方は役に立つ部分もあるのでは。

雨ならディープを買え理論

秋華賞に向けてということで。ディープインパクト産駒が重馬場を走らないというのはよく知られた話で、雨さえ降ればディープは人気しない。ゆえに穴が開く。

エプソムC(稍重) サラキア(7人気2着)

弥生賞(重) メイショウテンゲン(8人気1着)

セントライト記念(重) サトノルークス(8人気2着)

CBC賞(不良) アレスバローズ(7人気2着)

ラジオNIKKEI賞(不良) ゴータイミング(6人気3着)

今年の重賞だけで抽出してもこれだけある。果たしてこの馬達が良馬場だったらこんなに人気を落としていただろうかという話だ。CBC賞のアレスバローズなんか典型的にそうだと思う。ディープは重だと走らないという先入観が「過剰不人気」を形成し、そこに妙味が捻出されるのだ。

さて、今週末の秋華賞。あのディープ産駒が雨のせいで不当に人気を落としそうですね。何はともあれ台風にはお気を付けて。それではまた明日。

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