今年の3歳牝馬路線は強い馬が順当に強い競馬をして勝ち上がってきていて、かつ目立った回避もない。基本的には堅い決着になると思うが、そこに妙味を作り出していくことが重要になる。これから世代限定戦のGⅠに関してはメトリクス解析での実績が薄いので公表せず、18頭それぞれについて考察をしていきたい。
18頭考察
①ダノンファンタジー(父:ディープインパクト 母:ライフフォーセール) 鞍上:川田
新馬戦は完成度の違いでグランアレグリアに負けたが、秋になって馬が一変。60.0-34.0のレースに絶対的な適正を持つのに加え、自在性や操縦性もかなり高くなった。内枠で前々の競馬を強いられると何かに差されるイメージはあるが、この馬が馬券外になるというのは正直考えにくい。
②クロノジェネシス(父:バゴ 母:クロノロジスト) 鞍上:北村友
バゴ産駒だがとんでもなく終いが切れる。ラップだけで見ればハープスターに近い。馬群の後方が60秒台で通過する流れになれば33秒台前半の末脚でまとめて交わしてもおかしくないぐらいの爆発力は持っている。頭まで。
③グランアレグリア(父:ディープインパクト 母:タピッツフライ) 鞍上:ルメール
朝日杯の時に指数の伸びが微妙だという理由で切ったが3着。スローペースで展開が向いたにも関わらずクリノガウディーに負けたというのは中々評価が難しい。オークスとかになると話は変わってくると思うが、ここは買わない予定でいる。
④ビーチサンバ(父:クロフネ 母:フサイチエアデール) 鞍上:福永
フサイチエアデールの産駒なのでかなり阪神マイルの適正が高い。残り600でしっかりギアチェンジして長く脚を使えるから安定して成績を残せる。こういう善戦マンが頭で来たりするのがクラシックだが、ダノンやクロノとは少し差がある印象。先着するには相手のミス待ちになりそう。
⑤シェーングランツ(父:ディープインパクト 母:スタセリタ) 鞍上:武豊
ロンスパ性能がかなり高くいかにもオークス向き。スムーズなギアチェンジが求められる今回で馬券内にくるには工夫が必要。指数的にはビーチサンバと同じくらいで足りると思うので、とにかく外枠を引きたい。
⑥アクアミラビリス(父:ヴィクトワールピサ 母:アクアリング) 鞍上:デムーロ
今年の牝馬クラシックはこの馬を応援すると決めている。フェアリーSは残念だったが、前走で溜めれば切れることが証明された。エルフィンSの日の京都で33.3の末脚はなかなか優秀なライン。能力は足りると思うし、坂さえこなせれば一発あってもいい。この人気なら買うかな。
⑦シゲルピンクダイヤ(父:ダイワメジャー 母:ムーンライトベイ) 鞍上:和田
ラップを分析してる人ってのは結構多くて、この馬が強いことはチューリップ賞の4番人気からわかる通りバレている。ところがGⅠは普段買わない人が馬券を買うのでこういう玄人受けする馬のオッズは跳ねあがる。チューリップ賞はまともに調教すらできない中ガレ気味出遅れであのパフォーマンス。この馬に印を打つのは間違いなくて、外枠引けば本命まで。
⑧プールヴィル(父:ルアーヴル 母:ケンホープ) 鞍上:秋山
阪神JFを見る限り瞬発力勝負では一線級に劣る印象。ただ小柄ではあるが欧州血統の良さが出ており、フィリーズRで本命をうった通り道悪に関してはかなり上手く走る。大阪杯みたいな馬場でやれればチャンスはある。
⑨ルガールカルム(父:ロードカナロア 母:サンデースマイルⅡ) 鞍上:三浦
足りなさそうではあるが買い要素を探すとしたら急坂適正。瞬発力はあるし阪神マイルは嵌りそうな感じ。適正だけでどこまで食い込めるかがポイント。だがアネモネSでかなり仕上げていたのに加え初輸送に多頭数競馬と超えるべき壁は大きい。セオリーでいけば切り。
⑩フィリアプーラ(父:ハービンジャー 母:プリンセスカメリア) 鞍上:丸山
足りないと思う。フェアリーSも立ち回りの上手さが生きた形だし、結構仕上がっていた印象。今回は数か月で相当な変わり身が求められるし、敢えてここで狙う必要はないかなという感じ。オークスは面白い。
⑪エールヴォア(父:ヴィクトワールピサ 母:フィーリングトーン) 鞍上:松山
1800以上の息が入るレースでの先行時に適性がはるはずで、桜花賞で買う馬ではないかなという印象。ただ松山の積極的な騎乗が嵌りそうでもある。逃げてレッツゴードンキの時のような展開に持ち込めれば。
⑫アウィルアウェイ(父:ジャスタウェイ 母:ウィルパワー) 鞍上:石橋
距離延長はむしろプラス。この馬の瞬発力を最大限発揮できるのはおそらくマイル。個人的にはここまで人気を落とすなら押さえてもいいかなという印象。ただ溜めてほしい馬を暴走させる騎手なので、気性面を考えても期待値はかなり低いか。
⑬ノーワン(父:ハーツクライ 母:プレイガール) 鞍上:坂井
未勝利戦の内容が良かったので前走紐にしていたが、まさか勝つとは思わなかった。ハーツクライ産駒はこの時期一気に成長することもあるし来ないとは断言できないが、フィリーズレビューでかなり仕上げたのも事実。阪神外回りではイン突きの恩恵も少ない。
⑭ノーブルスコア(父:ディープインパクト 母ファイナルスコア) 鞍上:岩田康
足りないと思う。前哨戦でかなり仕上げた印象で上積みも薄い。上位2頭が万全でなかったことを考えるともう少しインパクト欲しかった。
⑮レッドアステル(父:ディープインパクト 母:レッドエルザ) 鞍上:戸崎
まだ中山での2戦しかしてないことを考えると、未知の魅力の点はこの馬が一番大きい。クリアするべき壁はかなり大きいが、瞬発力勝負に抜群の適性があるかもしれない。こういう馬を狙うのも競馬の楽しみ方の1つ。上位人気が強いだけに期待値は低いが。
⑯ジュランビル(父:キンシャサノキセキ 母:アリー) 鞍上:松若
展開の鍵を握る1頭。58秒台くらいで行けば堅い決着になるが60秒台になれば荒れるチャンスもある。いずれにせよこの馬が残るというのは考えにくい。
⑰メイショウケイメイ(父:ワークフォース 母:メイショウアキシノ) 鞍上:古川
阪神JFで勝負付けは済んだ。厳しいと思う。フルキチなので前のほうに行ってかき回してくれれば。
⑱ホウオウカトリーヌ(父:マツリダゴッホ 母:テルヌーヴ) 鞍上:大野
フェアリーSのメンバーレベルが疑問。切れる脚もない。一番厳しいかなという印象。
まとめ
阪神マイルは外枠にバイアスがあるレース。極限のスピード比べの中でどれくらいスムーズに追い出せるかがポイントとなってくる。さらに3歳牝馬にとって阪神の坂越えはまだまだ厳しい。絶対的な底力も問われる。先行馬は一筋縄では残れない。枠と馬場を見てからにはなるが、どんな買い目にするかはだいたい固まっている。当てて皐月賞につなげたい。それでは。