かえるん日記

当たった時は謙虚に。外した時は冷静に。

つべこべ言わずに「北の国から」を見ろ

北の国からを見ろ

 

国民的人気ドラマ「北の国から」は2002年に完結した。当時の最高視聴率は45%だったらしい。私はそのとき5歳か6歳だった。新作は出ていない。構想はあったらしいが。よって私は北の国からをリアルタイムでは見ることができなかった。だから高校から大学にかけて暇な時間を利用して連ドラ時代から特番まで全作をコンプリートした。北海道に生まれた者として北の国からぐらいは見ておいたほうがいいという使命感があった。見ての感想をひとつ言いたい。これは傑作だろう。見ておいて損はない。お前らは間違いなく泣くはずだ。セリフのひとつひとつが心に染みわたる。北海道に生まれてよかった。心からそう思えるドラマだ。その中でも今回は2002年に公開された最終作「遺言」について紹介していきたい。それまでは富良野の農業を中心に描写されてきたが、はじめて漁業にスポットが当てられた作品でもある。

 

 「遺言」のストーリー

牧場経営に失敗して多額の借金を背負った純と正吉。純は富良野を離れ羅臼に出稼ぎに来ていた。正吉は行方不明。正吉と結婚し、長男・快が産まれた蛍は一人で子育てをしながら富良野市内で看護師をしているという設定で物語は始まる。

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借金返済のために富良野を離れた純は職を転々としながら半年ほどは借金を返していたが、その後は返済が滞っていた。そして最終的に羅臼にたどり着いて廃棄物処理の仕事をしながら番小屋で暮らしていたのである。

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そんな中純はコンビニで働いていた結と知り合い付き合うようになる。しかし友人から結が人妻であることを知らされるという展開だ。

羅臼の女

秘かに付き合っていた純と結だが結の夫・弘が突然帰ってくる。とまあこの辺まで書いてこの画像を貼っておく。あとは自分で借りて見るなりしてくれ。あんまり大きな声では言えないがYouTubeに無断転載も上がっている。BAN厨は勝手に削除依頼でも出しとけ。

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内田有紀演じる結は羅臼の女だ。これが良い。芯のある女性だ。都会のヨレヨレ女とは訳が違う。純の歴代彼女でいえばれい(横山めぐみ)、トロ子(裕木奈江)、シュウ(宮沢りえ)、結と美人女優勢ぞろいなわけだが、私は敢えて結を推していきたい。まあ見れば理由はなんとなくわかるだろう。

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 山の男と海の男の違い

「遺言」で印象的だったのは流氷を見るために(純を訪ねて)羅臼までやってきた五郎と結の義理の父吾平(通称=トド)が意気投合するシーンだ。富良野の山奥で農作物を作ったり木を切ったりしている山の男と、荒れた海に飛び込んでトドを討つ海の男。自然を相手に仕事をする両者だが、気候に応じて柔軟な対応が求められる山の男は五郎のように冷静沈着だ。あまり多くは語らない。溢れるばかりの優しさを持ち合わせている。一方で命の危険にさらされやすい海の男はトドのように荒くれものだ。ちっちゃいことは気にしない。溢れるばかりの情熱を持ち合わせている。本能に生きているという感じだ。この2人の男が対照的に描かれていた。これまで山の男を中心に描いてきた倉本聰は北海道の男の全てを描きたいと思ったのだろう。それが最終作が羅臼という舞台で展開された理由だと思う。

北の国から」が教えてくれるもの

五郎さんが純と蛍に伝えたかったもの。自然の厳しさ。それと結局はお金じゃないということだ。五郎の遺言の中から少し抜粋させてくれ。

金なんか望むな。幸せだけを見ろ。ここにはなんにもないが自然だけはある。自然はお前らを死なない程度には充分食わしてくれる。自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんのお前らへの遺言だ。

お前らは都会を望む。地方の過疎化が進んでいる。都会に幸せはあるだろうか?便利さの中に幸せはあるだろうか?疑問に思う。そのことを考えさせてくれるドラマが「北の国から」だ。ぜひ見ることを推奨したい。それではまた明日。